高齢者の握力低下対策|グーパー運動と自宅トレーニングで握る力を保つ
2026-10-06
お知らせ
高齢者の握力低下の主な原因はサルコペニアによる筋力・筋肉量の低下

年齢を重ねると、気づかないうちに握る力が弱くなったと感じることがあります。その背景には、加齢に伴う筋肉量の減少、いわゆるサルコペニアが関わっているとされています。最新の国際的な診断基準では、以前よりも判定方法が整理され、「握力の低下」と「筋肉量の低下」という2つの項目を中心に確認する形になりました。
具体的な目安として、50歳から64歳の年代では男性34kg未満・女性20kg未満、65歳以上では男性28kg未満・女性18kg未満という数値が示されています。ご自身やご家族の握力がこの目安とどのくらい離れているかを知ることは、今の状態を客観的に把握する第一歩になります。
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握力の低下は転倒や全身の衰えのリスクサインにもなる
握力の数値は、単に「手の力が弱い」というだけでなく、全身の状態を映す指標としても注目されています。ある研究では、握力が5kg低下するごとに、あらゆる原因による死亡リスクが16%高まるという結果が報告されています。反対に、高齢女性を対象とした調査では、握力が15ポンド(約6.8kg)高いグループほど死亡率が12%低くなる傾向も示されています。
下半身の筋力やバランス機能の低下は、歩行速度の低下や転倒のリスクにつながりますが、握力の低下もこれらと同時に進みやすいことが知られています。数字を知ることは不安を感じるためではなく、今のうちから対策を始めるきっかけとして受け止めていただければと思います。
たびのすけの機能訓練現場で行う握力トレーニングと自宅での取り入れ方
たびのすけの機能訓練の現場では、ご利用者様の握力を定期的に測定し、数値の変化を記録しながら、お一人おひとりに合わせたメニューを組み立てています。ハンドグリップを使う場合は、軽い負荷のものから始め、1セット20〜30回を2〜3セット、頻度は毎日ではなく週2〜3回を目安に行っていただくことが多くあります。
道具を使わない方法としては、「グーパー運動」もよく取り入れています。椅子に座った状態でも、腕を肩の高さまで伸ばし、指をしっかり握る(グー)、大きく開く(パー)の動きを50回1セット、ゆっくり繰り返すシンプルな運動です。特別な道具がいらないため、ご自宅でも同じやり方でそのまま取り入れていただけます。無理のない頻度で継続していただくことで、少しずつ変化を感じていただけるケースもあります。毎日ではなく休息の日を挟むことも、筋肉の回復とのバランスを取るうえで大切にしている工夫のひとつです。握りやすい自助具やグッズの選び方については、写真付きで詳しくご紹介している別記事もぜひ参考にしてください。
握力を保つための食事・栄養の工夫
握る力を保つためには、運動と合わせて食事の工夫も欠かせません。筋肉量の維持を意識する場合、体重1kgあたり1.2〜1.5gのたんぱく質摂取が目安とされ、体重50kgの方であれば1日60〜75g程度が一つの基準になります。
ビタミンDとたんぱく質を組み合わせて摂取した場合、握力や椅子からの立ち上がり動作に良い変化が見られたという報告もあります。毎食の主菜を少し増やしたり、間食にたんぱく質を含む食品を取り入れたりするだけでも、無理なく摂取量を近づけることができます。運動と栄養の両方を続けることが、握る力を保つための土台になります。
握力の変化が気になったらたびのすけの機能訓練相談へ
「以前よりペットボトルの蓋が開けにくくなった」「握る力が落ちた気がする」といった変化に気づいたときは、ひとりで抱え込まず、機能訓練指導員にご相談いただければと思います。現在の握力や全身の状態に合わせて、どのようなメニューが合っているかを一緒に考えることができます。
見学や体験利用の際には、握力測定だけを受けていただくことも可能です。ご本人だけでなく、ご家族が変化に気づいたときの相談のきっかけとして、ぜひたびのすけの機能訓練をご活用ください。