高齢者の睡眠の質を改善する日中の過ごし方と生活リズムの工夫
2026-10-13
お知らせ
夜中に何度も起きる・寝つきが悪いと感じることはありませんか

年齢を重ねると、眠りに関する悩みが増えてきます。加齢によって、脳や体をしっかり休める「深い睡眠(徐波睡眠)」は20〜30代の頃と比べて1/2〜1/3程度まで減ってしまうことが分かっています。ちょっとした物音や室温の変化で目が覚めやすくなるのは、年齢による自然な変化であり、特別な異常ではありません。
睡眠に関する考え方として、高齢の方については眠る時間の長さそのものよりも「寝床に入っている時間が8時間を超えないこと」が目安とされています。長く寝床にいすぎることが、むしろ眠りを浅くしてしまう場合もあるのです。
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なぜ年をとると夜中に目が覚めやすくなるのか

深い睡眠が減ることに加えて、55歳を過ぎると体内時計を司る深部体温のリズムに個人差が大きく出るようになるといわれています。同じ年代でも、よく眠れる日とそうでない日の差が大きくなるのはこのためです。
また、眠りを促すホルモンである「メラトニン」の分泌量も、加齢とともに少なくなっていきます。こうした変化が重なることで、寝つきにくさや中途覚醒が増えていくのです。
午前中の日光と活動が、夜の眠りを整えるカギになる

加齢でメラトニンの分泌が落ちても、日中にしっかりと日光を浴びることで、分泌量が大きく増えることが報告されています。特に午前中に日光を浴びることは、体内時計(深部体温リズム)を前に進め、夜の眠りのリズムを整える後押しになるとされています。
認知症のある方についても、午前中に日光を浴びることが夜間の生活リズムの乱れを和らげる一助になると報告されています。朝のうちに外に出て光を浴びる時間をつくることが、夜の眠りへの小さな一歩になります。
『運動して』『日光浴びて』と言っても本人が動いてくれない時、現場ではどう声をかけているか

「体のために運動しましょう」という正論だけでは、なかなか動く気になれない方も少なくありません。たびのすけの現場では、「また一緒に旅行に行きたいから、元気でいてね」といった、楽しみや具体的な未来に結びつけた声かけを大切にしています。
一人では腰が重くても、集団での機能訓練やレクリエーションの場に参加すると、周りに合わせて自然と体を動かすようになる方が多くいらっしゃいます。日中の活動量が増えると、夜にしっかり眠れるようになったり、日中にうとうとする時間が減ったりする様子がみられると、職員の間でも感じられています。もちろん感じ方には個人差があり、すべての方に同じように当てはまるわけではありません。
今日から自宅でできる、眠りを整える生活の工夫
自宅でも取り入れられる工夫があります。昼寝が長くなったり、夕方近くの時間にずれ込んだりすると、夜の寝つきに影響することがあるといわれています。昼寝をとる場合は、短く、できるだけ早い時間に済ませておくと安心です。
運動を取り入れる場合は、就寝の1〜2時間前までに終えるのがポイントです。運動後30〜90分かけて体温が徐々に下がっていく過程が、スムーズな入眠を後押ししてくれます。就寝前はテレビやスマートフォンの明るい光を控え、ゆったりと過ごす時間をつくることも、眠りを整える助けになります。
毎日決まった時間に外出する機会をつくることが、生活リズムを整える一番の近道
定期的な外出の機会を持つことは、生活リズムを維持するうえで役立つとされています。毎日同じ時間に活動する習慣を続けることで、夜間の睡眠がしっかり取れるようになり、日中の傾眠傾向が和らいだという報告もあります。
自立支援のデイサービスでは、歩行訓練や筋力トレーニング、バランス向上のための運動など、要介護度や体力に合わせた無理のないメニューを個別に組むことができます。送迎の車内からのぞく朝の光も、その日一日のリズムを静かに整える時間のひとつになっています。