秋冬に増える高齢者の隠れ脱水、水分補給のタイミングと工夫
2026-10-28
お知らせ
秋冬の脱水は「暖房の乾燥」と「渇きを感じにくさ」が重なって起こります

涼しい季節になると、脱水は夏だけの心配事のように感じられるかもしれません。ですが高齢者の体内水分量は体重の約50%ほどしかなく(成人は約60%)、加齢によって喉の渇きを感じる働きや腎機能がゆるやかに低下するため、ご本人が気づかないうちに脱水が進んでしまうことがあります。さらに暖房を使う室内では、呼吸や肌からの水分が夏と同じくらい失われており、喉が渇いていないのに水分だけが減っていく「隠れ脱水」の状態になりやすいのが、秋冬ならではの落とし穴です。
1日どれくらい・いつ飲む?たびのすけで実践している水分補給のタイミング

1日に必要な水分量は、食事から約1L、飲み物から約1.2〜1.5L(コップ6〜8杯程度)が目安とされています。私たちは、コップ1杯(約200ml)を一度に飲み切るのではなく、1回あたり100〜150mlずつ、起床時・朝食時・10時・昼食時・15時・夕食時・就寝前など1日7回ほどに分けてお声がけすることを大切にしています。一度に大量に飲んでも体が吸収できる量には限りがあり、吸収しきれない分はそのまま尿として出てしまうためです。午前・午後それぞれの活動の節目にも「お茶の時間」を挟み、少しずつこまめに水分を補える流れを作っています。
認知症の方・飲み込みが心配な方には、どんな声かけと工夫をしているか
「お茶の時間にしましょうか」「少し水分補給しませんか」といった優しい声かけを、時間を置いて何度も繰り返すことが、水分補給のきっかけになります。飲み込みに不安がある方には、お茶や水をそのままお渡しするのではなく、とろみ剤でとろみをつけたり、ゼリー飲料やスープのような「食べる水分」を取り入れたりして、無理なく口にできる形を選んでいます。好みや体調は一人ひとり違うため、飲み物の種類や温度も様子を見ながら変えるようにしています。
送迎の前後やレクリエーションの合間にも、水分補給のきっかけを作っています
送迎のお車に乗る前と、施設に着いた後にも、スタッフから一声かけて水分をお勧めしています。体操やレクリエーションの合間には小休憩を設け、そこでもお茶の時間を挟むようにしています。活動に夢中になっていると、ご本人も気づかないうちに水分補給を忘れてしまうことがあるため、「今日も元気に身体づくり」を続けていただくためにも、スタッフが様子を見ながらそっと声をかけることを心がけています。
かくれ脱水のサインは、スタッフがこう見ています
ご家庭でも試せる簡単なチェック方法として、手の甲の皮膚を軽くつまんで離し、3秒以上戻らない場合は脱水の疑いがあるという目安があります。合わせて唇や口の中の乾き、脇の下の湿り気が消えていないかも、見守りの中で確認しているポイントです。気づいたときはすぐに声をかけて水分をお勧めし、無理なく、少しずつ飲んでいただくようにしています。室内は温度20〜24℃・湿度45〜55%程度を目安に整え、乾燥そのものを和らげることも合わせて続けています。いくつになっても旅行へ出かけられる身体づくりは、こうした毎日の小さな積み重ねから支えられています。